「背の眼」 道尾秀介 著

あだな ≪くれきん≫

やはりデビュー作なので余計な文章が多いですが、ホラー作品の真髄である「背筋をぞっとさせる」ことには成功していると思います。随所に京極夏彦の人気シリーズの匂いがしますが、ご愛敬ですね。キャラクターの造形は少しわざとらしい部分が目立ち、人物の魅力を半減しているように思いました。 天狗伝説のある田舎で奇妙な声を聞いたホラー作家の道尾は学生時代の友人がやっている「真備霊現象探求所」に相談する。そこで道尾はその地域で起きている幼い子供達の失踪事件を知ることになる。「真備霊現象探求所」に送られた写真には自殺した人々の背中に浮かぶ2つの眼。子供達をさらい、人々を自殺に追いやったのは霊の仕業なのか? 前半はのんびりした展開で読書もスピードダウンしますが、後半の伏線を回収しながらの謎解きには爽快感を味わうことが出来ます。 でもホラーですから、納得のいく説明を求めるのは野暮です。(笑)

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